日本橋好み

2019/10/18 | --袋帯

No.62

No.62

今回のテーマは、普段着のドレスアップ。とは言え、普段着の紬や小紋などをフォーマルとして着るのではなく、今の時代やシュチュエーションに合わせた格上げの方法を考えました。
いわゆる「ちょっとしたお出かけ。」だけを目的としたお買い物をするには勇気がいりますが、引き出しに眠っている丁寧に作られた〈ちょっと良い普段着〉を沢山活躍させていただければ嬉しいです。

黄八丈は若々しく町娘が着用している浮世絵なども見受けられますが、このとても細かく織り上げた山下芙美子さんの黄八丈は、ざっくりとしたイメージからはほど遠く繊細な雰囲気。
枡屋高尾さんの帯は、ちょっと面白い〈動物の花〉というお名前。
抑えた鈍色の光がシックでありながら、個性が強い袋帯です。
実はこの組み合わせを着こなす為の小物選びは、とても難航しました。
無地の冠組などで無難に凌いでも良かったのですが、最終的に凝った質感の厳島組み&墨色の絞り帯揚げとなりました。

軽く逃げる事も出来ず、華やかに盛る事も拒む。軽々しい小娘では、とうてい太刀打ちできない。そんな玄人好みのスタイリングです。


きものスタイリング/吉澤暁子
きもの/黄八丈 山下芙美子
帯/袋帯 桝屋高尾 動物の花
帯締め/和小物さくら 経巻厳島一枚高麗
帯揚げ/和小物さくら 絞りツタ唐草一目小ボーシ
草履/和小物さくら

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