日本橋好み

2020/04/10 |

No.85

No.85
今回のテーマは〈染め名古屋帯〉です。
数年前から生産量もかなり少なくなって来ていると聞いていた染め名古屋帯。
個人的には草花や風景など季節を感じ取れるものも多く、個人的にはとても好きなアイテムです。
今回ご紹介するのは、少し個性的な〈染め帯〉達。
是非、季節の移り変わりをお楽しみください。

サラリとした質感が汗ばみ始めた季節に嬉しい綿薩摩の着物。
その上質さから「着物好きが最後に辿り着く。」と言われる綿薩摩は、その名前のとおり綿素材でありながら上質な細い糸を使っているのでまるで絹の様な着心地です。
綿着物で不満だった足を運ぶときの裾の突っ張り感や身頃のガサつき等が無く、大島紬のようなつるりとした質感が涼しく、また裏地もないので暑さも気にならないという良い事尽くしの素材です。
今回はモノトーンでスッキリとした格子柄の綿薩摩に、単衣の季節に先取りした優美な鉄線の名古屋帯で甘辛コーディネートにいたしました。
小物は夏を意識するような少し明るい黄色の絽縮緬の帯揚げ&細めの丸組帯締めを使って、暑苦しく無く周りの方の目も楽しませるような、そんなスタイリングとなりました。


きものスタイリング/吉澤暁子
着物/綿さつま 東郷織物 網代入市松
帯/絽名古屋 天寿
帯締め/和小物さくら 洋角ぼかし撚房濃地
帯揚げ/和小物さくら 絽先染糸入麻の葉斜め二色ぼかし

最近の記事一覧