日本橋好み

2020/04/03 | 名古屋帯-小紋-

No.84

No.84
今回のテーマは〈染め名古屋帯〉です。
数年前から生産量もかなり少なくなって来ていると聞いていた塩瀬の染め帯。
個人的には草花や風景など季節を感じ取れるものも多く、個人的にはとても好きなアイテムです。
今回ご紹介するのは、少し個性的な〈染め帯〉達。
是非、季節の移り変わりをお楽しみください。

葛の葉に蜂がとまった染め名古屋帯。風に揺れる葉の上の蜂は、これ以上無いほど写実的で大迫力。
蜂は春の季語、夏に咲く葛は秋の季語だそうです。
その針の恐ろしさから怖いイメージも有りますが、花々の受粉を担ってくれるありがたい存在でもあり、昔から身近に感じる方も多いかと思います。
今回は、二種類の着物と合わせてみました。
帯の迫力そのままのイメージであわせた細竹縞の小紋は、サラリとした素材にモノトーン風。キリリと粋な雰囲気に。
また草木染めの紬とあわせると、ふんわりと優しい雰囲気に。春の野原を写した景色の様になりました。
帯の柄を楽しむために着物と帯をシンプルにしたので、帯小物には少し色を加えてみました。
本来の葛から、葉の緑や花の紫を。帯のインパクトに負けない、素材の質感もしっかりある物を選びました。


きものスタイリング/吉澤暁子
着物/小紋(黒) 疑紗 縞/小紋(生成り) 高機草木紬 白鷹手織り
帯/名古屋帯 クズにスズメバチ
帯締め/和小物さくら 高来片側孔雀柄金入り
帯揚げ/和小物さくら 東雲絽立巻絞り鹿の子入り

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