日本橋好み

2019/12/06 | 小紋-袋帯

No.69

秋から冬へ、季節が変わり始めました。クリスマスやお正月に向けてのお出かけに、人々の心が浮き立つ〈上質な普段着〉のご紹介をさせて戴こうと思います。

クリスマスのパーティーや初詣も気のおけないお友達同士なら、訪問着や付下げより洋服でいうところの「綺麗めカジュアル」がおすすめです。
普段着ながら丁寧に作り込まれた小紋や紬・お召しなどは、最近なかなか目にする事も少なくなって来ました。
店頭で目立つものでは無いのですが、着物を日常的に着こなす方や着始めたばかり方にもお薦めなので、是非お目にとめて戴ければ嬉しいです。

古風に見える鞠模様の小紋。可愛い明るい色を使っていると、とても派手立って見えてしまいますが地色が黒なのと紋様の大きさも小さめなので大人にも似合うクラッシックな良さがあります。
あわせた帯は、雪の結晶のような織り柄に緑をフワッと暈した名古屋帯。お太鼓に散る赤い点々はクリスマス時期なら柊の実のように、お正月を迎える時には南天の実のように見立てる事が可能です。
あわせたのは、少し改まった印象の赤のりんだしの帯揚げ&帯と同じ透明感のある冴えた緑の帯締め。
黒い着物に白い帯という一見古風なコーディネートながら今風にも感じられるのは、明るい色を利かせ色として使うからだと思います。

本当に良い物は、色あせないと言います。
クラッシックな良さを、今を生きる我々のセンスで生き返らせる事も出来るのだと思います。
普段着物を楽しんで下されば嬉しいです。



きものスタイリング/吉澤暁子
着物/小紋 ちりめん 鞠
帯/袋帯 金彩刺繍
帯締め/和小物さくら 綾竹中武田片側ウロコ
帯揚げ/和小物さくら 梅リン出し疋田入り
草履/和小物さくら

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