日本橋好み

2020/02/14 | 付け下げ--袋帯

No.78

今回のテーマは〈付下げ〉。
以前の付下げの格付けは訪問着の少し格下の扱いでしたが、訪問着の使用頻度が少なくなってきたいま、柄付けも華やかになり訪問着に匹敵する程となってきました。
華やかすぎず、砕けすぎず。
帯次第で如何様にも使いこなすことの出来る付下げは、現代に合わせた〈進化した着物〉の姿なのかもしれません。

どっしりとした重たい色合いの付下げには、波と枝垂れ柳。
桜の咲く頃に芽吹く柳は春の季語ですが、流れる水の紋様も清涼な春の川なのかもしれません。
永遠の象徴でもある波紋様は、季節を選ばない吉祥紋でもあります。
袋帯は、着物とあわせて重量感のある色柄でバランスを取りました。

帯小物の色を替えるだけで全く違う表情を見せる着物と帯ですが、今回は春の装いをイメージして明るくハッキリとした帯締めを。
格が高い貝の口組みで、品格がありながらも軽やかな洒落っ気のある大人スタイリングとなりました。

きものスタイリング/吉澤暁子
着物/付下げ 波 枝垂れ柳
帯/坂下
帯締め/和小物さくら 貝の口亀甲引掛手先二色ぼかし
帯揚げ/和小物さくら 更紗丸取りぼかしに刺繍

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