No.55
今回のテーマは、付下げのカジュアル・ダウン。
準礼装である付下げを、洒落袋帯などでお食事会や観劇などの〈お出かけの街着〉ぐらいの気軽に着れる様にしてみよう、というイメージです。
付下げの柄も格が高い古典文様よりは、モダンな雰囲気のものや季節のモチーフの物を選んだ戴いた方がテーマに合わせやすいかと思います。
帯も、金糸銀糸はひかえめに。
洋服でいうと、ツイード・ジャケットのスーツやシルクのワンピースぐらいの感覚で着こなせる感覚のスタイリングです。
透明感のある淡い水色に、金の縫取り御召しで月のような半円を描いたモダンで軽めの柄の付下げ。
あわせる帯は、ジャワ更紗をモチーフに織り出したエキゾチックな袋帯です。
フォーマル感を出しすぎないよう帯周りの小物も白や薄い色を使ってはんなりとはせず、特に帯締めには濃い目の金茶色でキリリと格好良くコーディネートいたしました。
また帯揚げはベージュで帯と着物の色合いの違いを馴染ませましたが、中には着物と同じ淡い水色を使っているのでコントラストも付き過ぎず顔まわりも明るい上品な仕上がりになったかと思います。
きものスタイリング/吉澤暁子
きもの/ 寿光織 付下げ
帯/都 袋帯
帯締め/和小物さくら 綾竹突甲大和片切替
帯揚げ/和小物さくら 意匠格子ボカシ
草履/和小物さくら
バッグ/丸型ボストン摺型友禅 更紗