日本橋好み

2019/10/04 | -袋帯

No.60

今回のテーマは、普段着のドレスアップ。とは言え、普段着の紬や小紋などをフォーマルとして着るのではなく、今の時代やシュチュエーションに合わせた格上げの方法を考えました。
いわゆる「ちょっとしたお出かけ。」だけを目的としたお買い物をするには勇気がいりますが、引き出しに眠っている丁寧に作られた〈ちょっと良い普段着〉を沢山活躍させていただければ嬉しいです。


日本三大紬にも数えられる大島紬。十字や亀甲などの絣は、とてもとても丁寧な仕事で作られてます。わたしも今まで二百亀甲までは拝見した事がありますが、それでも一反で100万個もの亀甲が敷き詰められているという凄さでした。弐百弐十亀甲ともなると、スペックで着物を語るのを嫌う私としても、考えるだに気の遠くなる作業だと職人さんに尊敬の念を抱かずにはいられません。
見た目自体は至ってシンプル。触った感じもサラリとした大島紬特有の肌触りです。合わせた帯は、引箔を使った本袋帯。能装束の意匠を取り入れた様な、どっしり落ち着いた風格のある帯。
品の良い着物や帯を引き立てる帯小物も、あまり色を使わずシンプルにまとめました。ただし質感にはこだわって、負けずに個性のある物を選んでおります。
会社の催し事など、スーツ姿の方が多いパーティーなどにも光りすぎず見目も良いと思います。

全てが上質でシンプル。
足したり引いたりする必要のない、この様なコーディネートが似合う年齢の重ね方をしたいなと思います。

きものスタイリング/吉澤暁子
きもの/特選大島紬 弐百弐拾亀甲
帯/袋帯 錦松織物 引箔本袋 舞衣
帯締め/和小物さくら 綾竹木ノ葉通し銀入り
帯揚げ/和小物さくら 市松ぼかし線柄
草履/和小物さくら

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