No.47
6月のテーマは〈青〉。
そのなかでも海外からジャパンブルーとも呼ばれる藍。
世界最古の染料とも言われて、日本独特の美しさを感じる色でもあります。藍で染めた色も、瓶覗(かめのぞき)、浅葱(あさぎ)、縹(はなだ)、納戸(なんど)、紺(こん)など、染めの回数・濃淡により多くの名前が付けられております。
着物では一年中愛されている藍色ですが、夏の生地に染まるとより一層その清涼感が際立ちます。
薄灰色とも水色ともつかぬ淡い色の絽の生地に、萩と波文様を描いた付下げは、見る人を涼やかな水辺へと誘います。
今回のスタイリングでは40〜50歳代をイメージして帯締めも少しキリッとした梅紫色で引き締めましたが、もう少しお若い世代には藤色や葉の色から取って青緑でも爽やかになるかと思います。
帯揚げはサラリとした生地で、少し淡いペパーミント。
あまり色を揃えすぎると昭和風で決まり過ぎるので、色味は少しズラした方が洋服の方の中でも映える着姿になると思います。
帯も落ち着いた雰囲気にしたくて白からグレー、藤色と大人っぽいトーンの袋帯にしました。
水衣錦と名付けられた袋帯は品も良く名前も涼やかで、夏の袋帯として初夏から初秋まで幅広く活躍してくれそうです。
観劇、レストランでのお食事会など、幅広くお使いいただけるコーディネートになりました。
きものスタイリング/吉澤暁子
着物/吉澤織物 絽付下げ
帯/鈴木 水衣錦 袋帯
帯締め/和小物さくら
帯揚げ/和小物さくら