No.44
6月のテーマは〈青〉。
そのなかでも海外からジャパンブルーとも呼ばれる藍。
世界最古の染料とも言われて、日本独特の美しさを感じる色でもあります。藍で染めた色も、瓶覗(かめのぞき)、浅葱(あさぎ)、縹(はなだ)、納戸(なんど)、紺(こん)など、染めの回数・濃淡により多くの名前が付けられております。
着物では一年中愛されている藍色ですが、夏の生地に染まるとより一層その清涼感が際立ちます。
さっぱりとした藍の色は涼しさを感じさせて、湿度の高い夏に向かう季節にはピッタリ。
高い技術を要する両面染の木綿生地は、単衣の時期には襦袢をあわせて単衣着物風に、盛夏には浴衣として一枚でさらりと着こなしていただく事が出来ます。
糸菊の模様の表から、歩いた時に裾からチラリと覗く霰の柄。
見えにくい部分でも手を抜かない、粋な大人のお洒落です。
単衣風に着こなすコーディネートとして合わせた帯は、桐生織の絞り染め名古屋帯。
気負わず、角出し結びがオススメです。
小物も全て薄青〜藍のワントーンコーディネートで涼やかに。
帯揚げに潜んだ千鳥が、更なる涼を呼びます。
着物スタイリング/吉澤暁子
着物/玉藍染 古代小紋 松原
帯/泉織物 桐生絞
帯締め/和小物さくら
帯揚げ/和小物さくら