『「悩まない人」の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』を読みました。
僕は社長になって今月で14年目になります。この間決して順風満帆だったわけではありません。いいこともあれば、苦しい決断を迫られることも何度もありました。その中で少しずつ学んできたのが、「心の受け身」です。
具体的には、自分で変えられることと、変えられないことを分ける。変えられることにはとことん向き合い、変えられないことについては、時の流れに任せる。そうすることで、無駄に悩むことが減ってきたように思います。僕自身は今、あまり「悩む」という状態になることはありません。
ただ、世の中を見渡してみると、意外と多くの人が、毎日のように悩み、心を消耗しているようにも感じます。そうした姿を見て、ふと手に取ったのがこの本です。
この本は、木下勝寿さんが、自身の経験をもとに、「悩まないための思考法」を30個のスキルとしてまとめたもの。読んでみると、自分がこれまで感覚的に実践してきた考え方が、ものすごくわかりやすく、しかも的確に言語化されていて驚きました。
最初に出てくる「世の中で起きている“問題”の9割は、ただ“思いどおりにいっていない”だけである」という指摘は、とても本質的です。これを知っているかどうかで、起きている出来事への向き合い方が大きく変わる。悩んでいる人の多くは、「思いどおりにいかない」ことを「失敗」や「問題」だと思い込んでしまっているんだと思います。
また、個人的に特に共感したのが、「責任を取るとは、罰を受けることではなく、対処することだ」という考え方です。これはまさにその通りだと思いました。現代のメディアやSNSでは、何か問題が起きるとすぐに「誰が責任を取るのか」という話になります。そしてその“責任”は、往々にして「辞任」や「謝罪」「減給」などの“処罰”として扱われがちです。
でも本来、責任というのは、迅速に問題の拡大を止め、被害を最小限にとどめ、打開策を打って原状回復に努めながら、今後の再発防止策も講じることです。つまり「その状況に向き合う覚悟を持つこと」であって、悪者探しをすることではない。この考えを、あらためて言葉にして伝えてくれたのがこの本でした。
そして、さらに印象的だったのは、「自分が何の責任者になるのかを自分で決める」という視点。何の責任を取るのか、自分で選んでいい。仕事でも人生でも、誰かに役割を与えられるのではなく、自分で選んでいく。そういう前向きな思考の土台になるのが「悩まない」力なんだと感じました。
この本は、経営者だけでなく、あらゆる立場の人におすすめできます。何よりも、今の時代に必要な“心の使い方”を見つめ直すきっかけになるはずです。

