昨日から、新潟の十日町に入っています。昨夜は十日町織物工業組合の方々と、京都・名古屋・東京から集まった各織物商業組合のメンバーによる懇親会が開催されました。

僕は、こうした大人数での懇親会という場が好きです。もちろん会議室で膝を突き合わせて仕事の話をするのも大切ですが、お酒を酌み交わしながら過ごす時間は、また違った意味があると感じています。仕事の顔だけでは気づかなかった相手の価値観に触れたり、その場の雰囲気から思いがけない話題に発展したりして、お互いの理解がぐっと深まる感覚があるからです。

昨日は前日入りすることができたので、ゆっくりとお話しすることができました。席には十日町名物の山菜である「木の芽」が並び、地元の銘酒「松乃井」を酌み交わしながらの時間は、本当に格別でした。食事やお酒を通して改めて実感するのは、十日町は本当に水がきれいだということです。雪解けの清らかな水があるからこそ、滋味豊かな山菜が育ち、雑味のない旨い酒が生まれるのだと肌で感じました。

この水の良さは、もちろん「きもの」作りにも直結しています。特に友禅などの染色の工程において、水の質は発色の鮮やかさを左右する命とも言える存在です。十日町の染織品が持つ、どこか澄んだ透明感のある色彩は、この豊かな水環境があってこそ実現するものなのだと思います。

産地の方々と直接言葉を交わすと、画面越しや書類だけでは伝わってこない熱量や、ものづくりへの細やかな想いが伝わってきます。こうした「心の距離」が縮まる瞬間こそが、問屋として産地と小売店様をつなぐための、大切な土台になるのだと思っています。地元の食や水に触れ、その風土を丸ごと理解することも、僕にとっては欠かせない仕事の一部です。

十日町の方々のお話では、今年の「十日町きものフェスタ」への来場状況も非常に順調とのことでした。産地が活気づいているニュースを聞くのは、僕たちにとっても本当に励みになります。今日、これから会場で新しい作品の数々を拝見できるのが、今から楽しみです。

産地の皆さんが情熱を込めて作り上げた逸品を、しっかりと目に焼き付けてきたいと思います。そして、その背景にある物語も含めて、皆さまにお伝えしていけるよう努めてまいります。