十日町きものフェスタ2026に行ってきました。今年の最高賞である経済産業大臣賞には、吉澤織物様の「特選手描振袖 吉祥絢爛大和絵襖絵図」が選ばれました。その圧倒的な存在感には、会場の誰もが目を奪われていたように思います。

昨今は材料費や人件費の高騰が続き、ものづくりの現場はどこも厳しい状況にあります。全国的な傾向として、どうしても加工度を抑えた「効率の良い商品」が増えている印象は拭えません。しかし、十日町の作品群を眺めていると、この地域特有の意地のようなものを感じます。決して手を抜かず、自分たちが信じる「本当に良いもの」を形にする。そんな気概が、どの作品からも溢れ出していました。

十日町の桜は、まだ満開まであと一歩というところでしたが、産地の方々の情熱はすでに満開の勢いでした。こうした「本気のものづくり」に触れると、僕たち卸売業もその熱量を冷まさずにお客様へ届ける役目を果たさなければならないと身が引き締まります。

翌日の土曜日には、新潟市内の小売店様を、訪問させていただきました。今でも活気があり、元気な経営を続けていらっしゃるお店には、いくつかの共通点があることに気づきます。それは、現状に甘んじない創意工夫があること、そして何より、お客様との関係性をどこまでも深く築いていらっしゃることです。

ただ売るだけでなく、着物を着て出かける機会を自ら作り、楽しさを共有する。その積み重ねが、強固な信頼に繋がっているのだと感じました。産地が一生懸命作った品物を、小売店様が真心を込めてお客様に繋ぐ。その素晴らしい循環の中に丸上が介在できる幸せを、再確認した出張となりました。