今日紹介させていただく本は、日本橋丸上の顧問弁護士の三谷淳さんの処女作となります「丸くおさめる交渉術」です。

一般的に交渉術というと、「相手を打ち負かす」というイメージが強いですが、この本ではその事を否定しています。なぜなら相手を打ち負かす事により短期的なメリットを得られるかもしれませんが、結果として恨みを買い長期的なメリットにつながらないからです。

僕もいろんな本を読んでいますが、現在は欧米式の交渉術だったり経営手法というのがグローバルスタンダードである為、正しいとされていますが少し疑問を感じています。

これから日本が成長期から成熟期に移行する時期であれば、もう一度日本的な考え方だったり、経営手法が見直されてもいいような気がします。特に呉服業界のように狭い業界であればこそ、共存共栄を前提とした交渉が大切になるのではないでしょうか?

以下この本からの抜粋です。

”日本には古くから「和もって尊しとなす」「損して得取れ」といった言葉があるように、相手の事を気遣い、思いやりながらコミュニケーションをとり、関係を築くという良き伝統があります。そこにいきなり欧米流の交渉術を持ち込むことはどうしても無理があるのです。”

そして、丸くおさめる交渉のポイントは

①スピード決着を図る

②相手の期待値を飛び越える

③長期的な利益を優先する

だそうです。この本は経営者の方に限らず、全ての人に大変役立つ本だと思います。興味のある方は是非お近くの書店でお求めください。

余談ですが、これまで本を書いた人に会った事はありましたが、知っている人が出版したのは初めてでした。本を読んでいると三谷さんの声が聞こえてくるみたいで、不思議な感覚を体験しました。

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