この土日は、日本アサーション協会による「協働のためのアサーション・トレーニング」という2日間の研修に参加してきました。

昨年、これからの時代には「適切な自己主張」を意味するアサーションが必要だと直感し、丸上でも全社的な導入を進めています。ただ、導入を推進する立場として、まずは僕自身が誰よりもその本質を理解していなければならない。そう考えて、専門家の方々から直接学ぶ機会をつくりました。

会場には、北は北海道から南は沖縄まで、全国から20名ほどの参加者が集まっていました。社会経験豊富な方から大学生まで、年齢もバックグラウンドもさまざまでしたが、全員に共通していたのは「より良いコミュニケーションを学びたい」という思いでした。

研修ではグループディスカッションが多く取り入れられていたのですが、とても印象的だったのは、その場に流れる空気感です。参加者全員が、アサーションや傾聴を共通言語として持っているため、お互いの意見を否定せず、協力的で建設的な対話が自然と成り立っていました。安心して話せる土壌があることで、コミュニケーションの質はここまで変わるのだと実感しました。

一方で、講師の方の言葉も深く胸に残りました。「ここで学んだ知識を持ち帰っても、組織に戻ればその常識は通用しないこともある。周囲に理解してもらうには、相応の覚悟と歩み寄りが必要で、アサーションを広げることが肝心です」という言葉です。

これはまさにその通りだと思いました。講義の中で「アサーション権は人権である」という考え方がありました。歴史を振り返ると、人々が自らの権利を取り戻していく過程のなかで、アサーションという考え方が発展してきた背景があるそうです。誰もが本来持っているはずの権利であっても、まずはそれを多くの人が「知る」ことから始める必要があると思いました。

より良いコミュニケーションを身につけたい人が一生懸命学んでも、この権利があることを相手が知らなければ、せっかく自分も相手も大切にする自己表現をしても「生意気だ」とか感情的な理由で潰されてしまうこともあるのではないかと思います。だからこそ、自分たちの中だけで満足するのではなく、この素晴らしい考え方をもっと多くの人に広げていく必要があるのだと感じました。

そう考えると、丸上という組織のなかで、社長である僕自身が率先してこの文化を導入しようと決意していることは、実はとても恵まれた環境なのかもしれません。トップが覚悟を決めて取り組むことで、社員が安心して自分の意見を言える土壌を、より確実につくっていけるはずです。

今回の会場は都内の大学でしたが、ちょうど桜が満開で、とても良い季節の学びの場となりました。春らしいやわらかな空気のなかで、新しい考え方に触れ、多様な方々と交流できたことも含めて、とても意味のある2日間でした。

本を読むだけでは決して得られない気づきがあり、実際に人と向き合いながら学ぶことの大切さをあらためて感じました。

知識は、実践して初めて意味を持つものです。学んだことを机上の空論で終わらせず、日々の仕事やチームづくりの中でどう活かしていくか。まずは僕自身の振る舞いから変えていきたいと思います。