今月の月初は浅草の台東館で催事がありました。会場が外部になると毎回活躍してくれるのが、昨年から導入した“あの台車”です。

ご来社いただいた方はご存じかもしれませんが、丸上のビルはかなり年季が入っており、エレベーターが一基しかありません。以前は、商品を階段で何往復もしながら運んでいました。今思えば、あれは筋トレに近い業務でした。

そんなある日、ふと思いつきました。
「台車を使えば、エレベーターの積み下ろしが一気に早くなるのでは?」
実際にやってみると大正解。これまで階段で汗だくになっていた作業が、一気に効率化しました。
この発見は、75年の丸上の歴史の中でも、“人類が火を使い始めた”レベルの革新といえます。

木製の台車のカタログ値では、耐荷重は150キロ。
見た目以上にタフで、これまでに20台以上導入していますが、まったく壊れることはありませんでした。

しかし先日の展示会終了日、初めてタイヤが一つ破損しました。
よく見ると金属の軸部分が大きく曲がっており、過酷な現場で相当な力がかかったようです。
それでも、これまで黙々と働き続けた姿を思うと、なんだか誇らしい気持ちになります。
まさに栄光の引退です。

次に導入する台車も、きっと彼の意思を引き継いでくれるでしょう。
丸上の現場は今日も、少しずつ“働きやすさの進化”を続けています。