別府温泉の地獄めぐりで、ワニを見ました。温泉地とワニ。あまりにも違和感のある光景に、「これは何なんだろう」と、思わず立ち止まりました。

ワニといえば、強くて大きく、獰猛な生き物というイメージがあります。けれど、実際に見たワニは、驚くほど動きません。

生き物はいつ食べ物にありつけるかわからないため、できるだけエネルギーを使わないように進化してきたと聞いたことがあります。つまり生き物は、ナマケモノに作られてきたのです。

人間も、きっと同じです。

放っておけば、楽な方へ流れる。負荷の少ない方を選ぶ。それが、生き物としての本能です。

そんなことを考えていた矢先、先日の幹部社員養成アカデミーの卒業式で、先生の言葉が思い出されました。

「強制的にやらされないと、人間は伸びない。自分の好きなことだけをやっていても、人は成長しない。興味のないことにも向き合い、自分に負荷をかけることで、見える景色が変わり、解像度が上がる。そして、知識と経験が人生を豊かにする。」

あまりにも本質的な言葉でした。

今の時代、自分の価値観で好きなことだけをやっていても、ある程度は生きていけるのかもしれません。けれど、本当に人生を豊かにしたいなら、あえて自分に負荷をかけることが必要だと思います。

やりたくないこと。
苦手なこと。
興味のないこと。

そこに一歩踏み込んだとき、人は初めて、自分の限界を超えられるのだと思います。神様から与えられた時間を、ただ消費するのではなく、価値あるものに変えていく。
そのために、自分自身に負荷をかけられるのは、人間だけなのかもしれません。