昨日、経済産業省の和装振興協議会にゲストスピーカーとして招かれました。僕がお話ししたのは、東京織物卸商業組合が和装振興取の施策についてです。
組合には、お金も人も時間も限りがあります。その中で効果的な施策を実行するには、一点集中が不可欠です。ちょうど僕たちの組合がある日本橋は、歴史を持ちながらも変革を続ける街です。そこで、「日本橋を着物の似合う街にする」という振興施策に注力しました。
その結果として、日本橋きものパスポートや日本橋和文化体験会の展開を通じて、地元の大手デベロッパーや飲食業組合、小学校とのつながりを築くことができました。そして、これらの積み重ねが七夕ゆかたまつりの成功へとつながったのです。どうしても成功事例というと点に注目されますが、大切なのは目的に基づいて様々な施策を継続して実行し、線や面にしていくことです。
僕たちは資本主義社会で生きている以上、売れないことを環境や他人のせいにはできません。しかし、着物という文化を発展させるためには、購買行動モデル AISAS(Attention, Interest, Search, Action, Share)の最初の A(注意) と I(関心) を行政や業界団体が戦略的に、積極的に取り組むことが重要だと話しました。

そして、S(検索)、A(行動)、S(共有) の部分は、各企業が自助努力によって高めていく領域です。お客様に選ばれるために、より良い商品やサービスを提供する努力を続けることで、業界全体のレベルアップにつながります。単に販売を増やすのではなく、お客様の満足度を向上させることが、最終的には市場の拡大にもつながるはずです。
国の後押しによる可能性
東京の小さな組合であっても、限られた資源の中でここまでの成果を生み出すことができています。もし国の後押しがあれば、さらに効果的な施策を打ち出せるはずです。 着物が日常的に着られる文化を取り戻し、和装市場を活性化させるためには、業界全体が一丸となり、行政の支援を受けながら戦略的に取り組むことが求められます。
そして、マーケットが拡大すれば、必ずものづくりに携わる方々の環境も改善されます。生産者や職人が安心して技術を継承し、さらに良いものを生み出せる環境を整えることが、最終的には日本の伝統文化を守ることにつながるのです。
当日の資料や動画はこちらから
当日の資料や動画は、経済産業省のサイトからご覧いただけます。
経済産業省 和装振興協議会 第13回会合
僕の発表は動画の32分過ぎからとなりますので、ぜひご覧ください。

