今年も残り二月半。丸上の創業75周年も最終コーナーを回りました。台東館の催事が終わって少し呼吸が整ったので、来期以降の方針をゆっくり紙に書き出しています。
社長としての僕の役割は、丸上を100周年へ確実に導くことです。そのために過去を振り返ると、丸上はおよそ25年ごとにフェーズが変わっていることに気づきました。
最初の25年は「創業期」。戦後の物不足からオイルショックまで、必要なものを必要な人に届ける“物流の時代”。
次の25年は「成長と急減速」。バブル経済の拡大と、その後の急激な収縮を経験した光と影。
そして今年までの25年は「どん底からのビジネスモデル変革期」。愚直に現場を磨き、選ばれる理由を積み上げ、東京ナンバーワンの着物卸問屋となることを実現しました。
では、次の25年――第四フェーズはどうなるのか。まだ明確な答えは出していません。
考えているのは「日本橋丸上だからできること」「価値創造」「顧客体験」。この3つを軸に、令和の時代に必要とされる呉服問屋とは何かを、もんもんと自問自答しながら探っています。でも、不思議とこの時間がとても楽しく、ワクワクしています。
ちなみに、今年の75周年ロゴの「5」は、100年に向けた“4分の3”を表しています。
創業から積み重ねてきた75年の歩みの上に、次の25年という最後の一片をどう描くか。
その答えを探すことこそが、今の僕の一番の楽しみです。
100周年は遠い未来ではなく、いま積み重ねている日々の延長線上にあります。
見えない価値を磨き続け、次の時代に本当に必要とされる丸上をつくっていきます。

