今朝は雨がしとしとと降っていて、関東もいよいよ梅雨入りでしょうか。通勤途中の道には、今年も美しく咲いた紫陽花が迎えてくれました。
この景色は、子供の頃から変わらない、毎年の風物詩です。最近では「今年は異常気象だ」「記録的な猛暑だ」といった極端なニュースが多く取り上げられますが、実際に自然の移ろいに目を向けてみると、地球の営みは想像以上にしっかりとしたリズムを持ち、僕たちの暮らしを包んでくれているのだと感じます。
茶道を始めて約1年になりますが、こうした自然の表情に目を留めることが多くなりました。道端の草花や風の匂い、空気の湿り気――何気ない日常の中にある「季節の気配」に敏感になったのは、茶道が教えてくれた大きな変化です。
紫陽花の花の色は、品種によって決まるわけではなく、土壌のpH値によって変化するのだそうです。酸性なら青、アルカリ性なら赤。自然の力がそのまま色に現れるというのは、なんとも奥深い話です。中には少しくすんだ色の花もありますが、それもまた自然のまま。完璧でないものにこそ、趣があるという考え方もあります。
四季があり、それぞれの季節に咲く花がある日本。そうした自然の恵みを肌で感じられることは、僕たち日本人にとっての大きな幸せなのだと、改めて思いました。