先日の水無月合同際のときに、ワタイク出身のお客様と会話することができました。
ワタイク。創業時は「渡邊郁二商店」で、どこかのタイミングで社名をカタカナの「ワタイク」に変更した名門の繊維問屋です。かつては「京都の五大商社のひとつ」とも称され、全国に支店を展開し、なんと満州にも支店があったそうです。
丸上の創業者・上達次郎さんは、戦前にワタイクの東京店長を務めていて、戦後に暖簾分けというかたちで独立し、丸上を創業しました。この話は会長からも聞いていて知ってはいたのですが、今回ワタイク出身の方と直接お話しできたことで、改めてその歴史に強く興味を持つようになりました。
その時に「渡邊郁二商店・結社十年誌 昭和14年」という社史がヤフーオークションに出品されていたことを教えていただき、すぐにチェックしました。残念ながらすでに売り切れてしまっていたのですが、その中には、若き日の上達次郎さんの写真が掲載されていたことが確認できました。実物を手に入れられなかったのは悔しいですが、記録として残っていたというだけでも大きな発見です。
そして、もうひとつエピソードがあります。
戦後間もない混乱期、スポーツメーカーのミズノが資金繰りに窮したとき、ワタイクが現金を用意して支援したという話がワタイクの中で語り継がれていたそうです。この話は僕も会長から聞いていて、その現金を届けたのが、まさに上達次郎さんだったそうです。う〜ん、興味深いです。
若き日の上達次郎さんの誠実さ、信頼の厚さ、そして人としての器の大きさを感じずにはいられません。
丸上が今後100年企業に向けて歩んでいく中で、創業以前の物語――ワタイクの歴史や、上達次郎さんの若き日の足跡――に、あらためて興味をもちました。
もし、ワタイクや上達次郎さんに関する資料、写真、思い出話などをご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。どんな小さなことでも構いません。よろしくお願いいたします。
歴史の糸をともにたぐり寄せるお力添えを、心よりお願い申し上げます。