先月末の東京キモノショーから、京都での水無月合同祭とすごく忙しかったですが、少し落ち着きました。これらイベントを通して実感したのは、着物業界においては、小売店様の提供する商品・サービスが今後より一層重要になってくるということです。

異業種ではネットを活用したDtoCなどで、いわゆる小売の中抜きが進んでいます。ただ、ここで考えるべきはこれからの消費は、”生活必需品”と”心を豊かにするもの”の2つに分かれるということです。

着物は後者になります。だからこそ実店舗による、体験が大切になります。丸上の商品は全てその単品では価値を生みません。それを小売店様がコーディネート、仕立て、メンテナンス、着付け(着付け教室)、着る機会の提供などなど様々な役割を果たしていただいているので、業界はなりたっているのです。

もちろんネットで完結する商売もありますが、そのような場合も必ず消費者の心をちゃんと掴む仕組みが作られています。

そして、エンドユーザーは同じメーカーの商品をリピートして購入することは少なく、安心できる小売店で多種多様な商品を提案されたいというのも着物の特徴です。

このようなことを考えると、当社はより小売店様のお役に立てる問屋としての役割を果たせるよう、洗練された流通機能を持つべきだと考え取り組んでいます。そして業界繁栄のためには、川上、川中、川下がもう一度それぞれの役割分担を明確にし、遂行すべき時代に突入しました。

また、小売店様が輝けるステージを準備していきたいと思います。