米カジュアル衣料のフォーエバー21は破産法の適用申請を準備しているという報道を見ました。10年前に日本に進出し、オープン時は最先端のファストファッションとして話題になりましたが、時代の流れは速いものです。

着物のライバルをアパレルと見るべきかという議論もありますが、衣服という意味では同じカテゴリーになります。アパレル業界はIT活用により急速に変化しています。フォーエバー21の記事でも「インターネット通販の台頭で店頭販売が苦戦」と書かれていました。もしかすると今後はショッピングセンターのビジネスモデルでさえ安泰ではないかもしれません。

大きな流れは大量生産・大量消費、低価格化ですが、それにCtoCやDtoCが生まれ拡大してきています。

この時代の中で着物業界としてどのような価値を生み、伝えていくかを真剣に考えなければいけません。着物の場合は少量多品種生産です。シルクに高度な手仕事であれだけの加工ができ、かつ非常に繊細な美意識を持っているのは日本人だけではないでしょうか。この価値をエンドユーザーに対してどのように知ってもらえるのかを考え行動していくことが急務になります。また、ものとしての価値以上に、着物を通じてどのような体験や感動を提供できるかという視点が大切です。