おはようございます。さて、何度か報告させていただいておりますが、5月のセミナーで陸上の為末さんに講演いただきますが、その時に着用される帯が届きました。

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木屋太のフクレ織の角帯です。(お召は木屋太のものですが、現物は仕立中のため、丸上の売場に合った物を使って写真を撮りました。)今河様からは、こんな説明をいただきました。

”こちらは、フクレ袋帯の『十本縞格子』という柄から角帯用に柄を作り直したものになります。袋帯では太鼓で柄を魅せることができますが、角帯では、羽織まで羽織るとなるとごく僅かしか角帯の柄は見えません。また袋帯のメインとなる太鼓は身体の縦方向に柄の伸びを感じるのに対して、角帯のメインとなる腹では柄は身体の横方向に伸びを感じます。袋帯と角帯では単純にサイズが異なるだけでなく、柄の見せ方・作り方も変わってくると考えています。 今回用意した配色の『縞格子』は、締めた時にちらっと濃い赤の縦線が見えるようにと考えて製作しました。個人的には、キモノとは一目見てそれがすべてというよりも、細部まで行き届いている方がカッコイイと思っています。男性でも赤の着物や羽織だと自己主張も強く目立ちますが、角帯の部分に赤色が入っていることで奥ゆかしくキモノを楽しんでいただけないかと考えています。 着物を着ていて、単純に着物姿を褒めていただくのと、着こなしやコーディネートを褒めていただくのでは後者の方が嬉しかったりします。(今回の羽織のハードルの柄も、為末さんのことを良く知る人にはハードル柄だと言わなくても気づいてもらえないかな?と思って製作しました)高級嗜好品としてそのような作りこみをしていくことは、本来は京都という産地の役割だと考えています。”

さすが木屋太さんですね。帯を作る場合のデザインのコンセプトが良くわかりました。ちなみにフクレ織の帯は締めた後に軽くてゆるまないから安心だそうです。フクレの袋帯にはこんな物もあります。独特で斬新な色使いですね!

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