新年あけましておめでとうございます。昨年は様々な試練に立ち向かいながらも、皆様のおかげで乗り越えることができました。新しい年が始まり、新たな希望とチャレンジが待っています。また、能登半島地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

 さて、1月1日に発生した能登半島地震において僕が素晴らしいと感じたのは、大津波警報が発令された直後のNHKの女性アナウンサーの対応でした。一部では「ちょっと怖い。」、「大げさだ」などとネガティブな声もあったようですが、アナウンサーとして言葉で命を守ろうという覚悟がヒシヒシと伝わってきました。

 2011年東日本大震災では、「津波なんて大したことないだろう」と油断した結果、多くの犠牲者が出てしまった事実があります。その反省から、NHKでは災害時の呼びかけマニュアルの大幅な改定を行ったそうです。呼びかけのポイントは、①確実に伝わること、②行動を促すこと、③予断を与えないこと、の3つです。特に最後の予断を与えないことは、災害など異常な事態でも、「自分は大丈夫」と思い込む「正常化の偏見」をどのように打ち破るかが大きな課題です。そこで、ふだんは礼儀正しくしゃべっているアナウンサーが、突然モードを変えてことばを発することにしました。本当にやばいときは、やばいんだとパニックにさせてもいい、というぐらいの強い表現が必要だという結論です。ただ、このようなマニュアルがあっただけでは、いざというときに実行に移せません。定期的に訓練を行ってきたからこそ、適切な対応ができたのだと思います。

 また、1月2日の、海上保安庁の方が5名亡くなる事故が発生してしまいましたが、日本航空の乗客乗員379人が奇跡的に無事に脱出できたのも、適切なマニュアルと日頃の訓練の成果だと思います。

 残念ながら日本では大地震が定期的に起こりますし、どうしても想定外の事故は発生します。でも、その都度体験した事を風化させない真面目さは日本人の強みだと思います。今回の経験も落ち着いた時点で、よく分析されることでしょう。

 とはいえ今回の地震で、まだまだご不便な生活をされている方がたくさんいらっしゃいます。皆様と力を合わせ、一日も早く復興をなしとげることを祈念しております。また、僕自身も何かできることはないか、よく考えていこうと思います。新年早々様々なことがありましたが、今年は明るい年にできるように、ここから頑張ってまいります。

上達 功


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