11月15日、第122回博多織求評会の二次審査に参加してまいりました。この二次審査は、一次審査で選ばれた上位作品の中から、内閣総理大臣賞、文部科学大臣賞、経済産業大臣賞を選出する重要な場です。ちなみに各賞の審査基準については、明確に定義されています。

内閣総理大臣賞の選考は全品目を対象とし、技術や意匠など総合的に最も博多織としてふさわしい帯・着尺であることを審査の基準とする。

文部科学大臣賞の選考は全作品を対象とし、特に色、柄においてバランスがとれ、最も芸術性に富んでいることを審査の基準とする。

経済産業大臣賞は選考は全品目を対象とし、総合的に最も市場性に富んでいることを審査の基準とする。

今回は初めて僕が審査委員長を務めましたので緊張しました。審査員の皆様が意見を出しやすい環境づくりを心がけました。その結果、滞りなく審査が完了し、内閣総理大臣賞は紋八寸、文部科学大臣賞は手織りの着尺、経済産業大臣賞は佐賀錦の袋帯と、バランスの取れた結果となり、ほっとしております。審査員の皆様のご協力に感謝申し上げます。

博多織求評会の運営は、博多織工業組合の皆様や関係者の皆様にとって大きな負担であることと存じます。しかし、創り手様にとって、このような発表の場が年に一度あることは、非常に大きなモチベーションとなると思います。

僕は、東京筑紫会の幹事長を務めておりますが、今後も博多織をはじめとする産地の発展に少しでもお役に立てるよう、引き続き努力してまいります。

求評会の時期は例年紅葉が見頃を迎える季節ですが、今年は温暖化の影響か、葉が緑のままの木々が目立ちました。