斎藤孝太さんの書いた”いる接客、いらない接客”を読みました。ネット通販の市場拡大が進むなか、今後接客に求められることがどんなことか書いてありました。

この本の冒頭には、接客の歴史が書かれています。驚いたのがスーパーやコンビニなどの「お客様自ら商品を選んでもらうセルフ販売」は1953年に紀ノ国屋が始めたそうで、結構最近のことでした。つまりその前までは、ずっと人との対面で商品を販売していたのです。

そして1970年代に入ってから、セルフ販売が一気に拡大していきました。2000年からは接客がいらないネット通販が増えていきます。そして、2030年にはAIやロボットの活用を含め店舗の接客が激減することを予測しています。

接客の役割を、「情報を届けてくれる」「案内・会計をしてくれる」「幸福感を与えてくれる」という3つに分割したときに、最初の”情報”についてはマスメディアの普及から2000年以降のインターネット、2015年のスマホの普及により、その役割は減少しました。しかしプロだからできるお客様にカスタマイズした的確な情報提供はこれからも価値を持ちます。

案内、会計については、AIやロボット、セルフレジの発展で、人による作業はこれから加速度的に減っていくでしょう。つまり、店舗でスタッフと接して幸せを感じる「幸福感を与えてくれる接客」がずっと残る接客です。

着物小売店のお仕事を考えて、この本を読むと本当に接客が大切になってくることがわかります。企業としては魅力的な人材を成長させる社員教育の継続こそが大切だと感じました。