今日のブロブでは、先日シンガポールでおすすめいただきました「エクサスケールの衝撃」という本を紹介します。

エクサとはキロ、メガ、ギガ、テラ、ペタ、に続く数字の単位で、10の18乗のことで、エクサスケールは大容量で高速な次世代のスーパーコンピューターのことです。筆者の斎藤元章さんは、日本のスーパーコンピュータ”京”の開発者です。ちょうど今朝の日経新聞に”京”の後継機の名前が”富岳”に決まったと出ていましたね。この本が出版書されたのが2015年1月だそうで、もう4年以上経っていますが、熟読してみると今更がなら先進的で驚かされます。

この本の冒頭は、僕たちが歴史上もっとも数奇なタイミングに生を受けていることを教えてくれています。

現生人類が地球上に存在するようになって約25万年が経っていますが、最初の24万年はほとんど変化がなく、中国やエジプトではこ5000年から7000年の歴史。日本では約2700年の歴史が積み上げられているが、この時点で加速的に社会が変化したことがわかります。また、1700年代の産業革命が人類を全く別な次元に持ち上げましたし、1900年代には科学技術の進歩により急激に生活様式が変わりました。そして、1980年代の情報通信革命がさらに大きな変革をもたらしています。

そんな中スーパーコンピューターの開発はどんどん進んでいて簡単にいうと10年で1000倍、20年で100万倍の処理能力を持つように変化していて、今後あらゆる分野での活用が進み、人間の生活様式が加速度的に変わっていくという内容です。

本書ではエネルギー、衣、食、住がフリーになって人類がお金から解放され、医学の分野では不老を得て新しい価値観が生まれるということが書かれています。SF映画のような話ですが、読んでみてると全てでなくても、何割かのことは実現しそうな気になってきます。

仮にこの本に書いてあるように社会に大きな変革が起こった時、人間の価値観や行動はどのように変化してくるでしょうか?そのようなことを考えさせられる本でした。