1月21日に開催されました若者能(http://wakamononoh.logoz.org/)に行ってきました。開催された場所は水道橋にある宝生能楽堂です。僕も能楽堂に入るのは初めてで、厳かな雰囲気の立派な舞台でした。東京ドームのすぐそばに、こんな施設があったことは初めて知りました。

若者能の特徴は4つあります。

①初めて能を見るひとでもわかりやすいパンフレットがある。(今回のは演目のあらすじを漫画で解説してくれてました。)

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②開演の前に解説・体験コーナーがある。(写真はみんなで能面から見られる視野を体験しているところです。ここまでの撮影はさせてもらえました。)

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③公演中にtwitter解説がある。(日本語と英語)

④公演後にアフタートークがある。(残念ながら時間がなかったので、拝見できませんでした。)

僕も能については、難しそうという印象がありました。でも、若者能のすごいところは、「難しいことを簡単に伝える。」ことをとてもがんばっているところです。

能の舞台ではセリフの言い回しが難しく、初心者では話している内容を理解する事はたしかに困難でした。でも、このようなサポートのおかげで事前にあらすじを理解することができ、すごく楽しむことができました。

そしてそれ以上に感動したことは、舞台上にあがっている演者の方たちがすべて一流だということです。以前若者能を立ち上げた、塩津圭介さんのお話を聞く機会がありました。印象的だったのは、「舞台の上の伝統は絶対に変えてはいけない。」という事で、この舞台を作るために大変な稽古を重ねてきたのだと思いました。また、衣装も能装束が舞台上でとても映えて素晴らしかったです!

多くの人に能という伝統文化を理解してもらいたいけれど、お能というのは見る人によって理解の仕方がたくさんあっていいそうで、現代的なドラマみたいにはっきりと表現することはできません。そして、それが能の文化なのです。この文化を残すために、「変えてはいけない事と変えるべき事」の境界線を信念を持って決められているので、考え方にとても共感しました。

着物という文化においても、①変えてはいけない事と変えなければいけない事を決めること、②難しいことを分かりやすく伝える努力、という2点が今後のポイントだと思いとても勉強になりました。

ちなみに若者能は着物で行くと500円キャッシュバックしていただけます。次回公演には是非着物でお出かけになってみてはいかがでしょうか?