僕がつむぎの仕入れを担当している時に、「結城紬の湯通しはなんで高いの?」「結城紬の湯通しはなんで時間がかかるの?」という質問をよく受けました。

理由は結城紬の湯通しは手間をかけているからです。

ご存知の方も多いと思いますが、結城紬は織る時に使うのりに小麦粉を使っています。理由は地域性と手引き真綿は糸の状態だと非常に柔らかく、織りにくいということがあるそうです。小麦ということはデンプン質を分解しなければなりません。その為大量のお湯を使い、一反一反手で湯通ししていきます。

また、反物によって使われているのりの量も異なるため、以下の動画のように職人さんたちが指先で常に反物の状況を感じながら作業をしていきます。ですので、お客様の好みによりのりを少し残して欲しいという要望や、ものすごく柔らかくして欲しいという要望を聞くこともできます。平均的には動画のタライで10回くらいお湯にくぐらせます。

その後写真のように天日干しをします。ですので、天気の状態により納期が変わってきます。お客様から納期を確認されたときに「天気がよければ・・・。」とお答えするのはその為です。

私も本場の結城紬をもっていますが、実際に着てみると繭につつまれている感じでなんともいい着心地です。その着心地の理由には、このような丁寧な湯通しを行っているということもありますね。

https://youtu.be/olCMi35rbKo

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反物を天日干ししているところです