このところ東京では、雨が降ったり止んだりと不安定な天気が続いています。しかし、三寒四温の言葉通り、寒さと暖かさを繰り返しながら、確実に春が近づいているのを感じます。ソメイヨシノの開花はまだですが、日本橋のあじさい通りや久松小学校の前では、阿亀桜(オカメザクラ)がすでに満開を迎えています。

阿亀桜は、カンヒザクラとマメザクラの交配によって生まれた桜で、一般的なソメイヨシノよりも小ぶりな花が特徴です。濃いピンク色の花が可憐に咲き誇る様子は、春の訪れを一足先に知らせてくれる存在です。オカメザクラの「オカメ」という名前は、日本の伝統的な「おかめ」の面に由来し、愛らしい印象を持っています。

こうした桜の開花とともに、日本人の装いも春らしく変わっていきます。着物の世界では、春の訪れを感じさせる淡い色合いや花柄の意匠が人気です。桜や梅、藤といった季節の花をモチーフにした着物や帯を身にまとい、春ならではの装いを楽しむのも素敵なひとときです。

桜を眺めながら、春の装いを考えるのもまた、季節の楽しみのひとつ。気候が落ち着いてきたら、春の着物で散策に出かけてみるのはいかがでしょうか?