10日ほど前に、通勤で利用する目黒駅にポケモンスタンドが設置されているのを見つけました。調べてみると、ポケモンスタンドは全国でも9カ所しかなく、多くは空港やターミナル駅といったインバウンド需要が見込める場所にあります。目黒駅は観光地ではなく、乗降客数も新宿や渋谷ほど多くないため、「なぜここに?」と疑問を持ちました。
しかし、今朝見てみると売り切れ続出。予想以上に人気があることがわかりました。この設置には、何かしらのマーケティング戦略があるはずです。

ポケモンのターゲットは「子ども」ではない?
ポケモンといえば、子ども向けのコンテンツというイメージがあります。しかし、ポケモンの誕生は1996年で、もうすぐ30年が経ちます。初期のポケモン世代は現在30代・40代となり、自由にお金を使える層になっています。
つまり、ポケモンスタンドのターゲットは子どもではなく、大人なのではないか?と考えました。目黒駅はオフィス街に近く、通勤途中の大人が手軽にグッズを購入できる環境です。実際、サンリオピューロランドも子ども向けからリピートしてくれる大人層にターゲットを変えたことで成功しています。
着物業界におけるターゲットの再考
この視点は、私たちの業界にも当てはまるのではないかと考えます。着物といえば「若い世代に広めたい」という話がよく出ますが、人口も多く、実際に購買力があり、継続的に楽しんでくれるのは僕ら団塊ジュニア世代(現在の50代)ではないでしょうか。
今の50代は、以前と比べてライフスタイルが多様化しています。
・子育てが落ち着き、自分の趣味を見つけたい層
・子どもがいなくても、自分らしさを表現したい層
・ファッションや文化に興味を持ち、自由に楽しみたい層
こうした層には、まだまだ潜在需要が眠っています。着物業界でも「若い世代に着物を広める」だけでなく、本当に購入して楽しんでくれる層に向けた発信や商品企画が必要ではないかと感じます。
ポケモンスタンドが目黒駅に設置された背景を考えることで、着物業界のマーケティング戦略についても新たな視点が得られました。これからも、日常の気づきを深めていきたいと思います。