6月30日〜8月23日まで東京国立博物館で開催されている話題の“特別展「きもの KIMONO」”に行ってまいりました。新型コロナの関係で会期が変更され、事前予約制になりかなり入場規制していましたが、僕が行った平日の8月6日(木)でも、かなりの来場者でした。また、とても暑い日でしたが、夏着物・浴衣の方が多く、業界が厳しいと言われている中でも、「着物には強烈な魅力があるんだ。」と前向きに捉えることができました。
展示内容について僕は素直に日本人の美意識の高さ、ものづくりに対する執念、ものを大切にする文化を体感することができました。もちろん展示されている着物は一級品ばかりだからかもしれませんが、作られた時代のことを想像すると、糸一本用意すること、図案を書くこと、機を作ること、染料を準備すること、弱い染料で鮮やかな染色すること、仕立てることなど全ての工程で現代とは桁違いで大変な作業であったことは違いありません。その条件のなかであのようなものづくりができるというのは、本当に凄いことだと驚きました。
一方で現代はデジタル化が進んだおかげで、答えを出すまでの時間が極端に短くなっていることを感じました。デジタルの技術を使えば、思った通りのものを寸分たがわず作ることが出来ますし、微調整もできます。今の流行りを見たければ画像検索をかければ無限に出てきます。
抱いた疑問はものづくりにおいてこの環境は果たしでどうなんだろうというものでした。本当にエンドユーザーの心を揺さぶるものを生み出す”覚悟”と“執念”と“忍耐力”を持たなければ、差別化は難しいなと感じました。
やっぱり仕立て上がるのを”待ち焦がれる”ような魅力を作り出さないといけないです。もちろんお土産の図録はしっかり買いました。見ていて飽きません。