東京でも桜の開花が宣言され、街が春色に包まれています。ふと振り返ると、5年前のこの時期、新型コロナウイルスの影響で東京オリンピックの延期が決まった頃でした。あの時は混乱と不安の中で先が見えず、厳しい日々が続きましたが、今となっては遠い昔のように感じます。
しかし、この5年間で私たちの業界にも大きな変化が訪れました。特に感じるのは、着物問屋の特色がより明確になったことです。かつては「問屋」と一括りにされがちでしたが、今ではそれぞれの問屋が個性を持ち、独自の方向性を示すようになりました。
例えば、扱う商品の種類やリスクの取り方、催事での役割、さらには人材採用や育成の考え方まで、問屋ごとの取り組み方がはっきりと異なってきています。同じ「問屋」という言葉の中にも、さまざまな特色が生まれてきたのです。
だからこそ、日本橋丸上としての方針や考え方を、より多くの方に知っていただく必要があると感じています。小売店様、仕入先様、そしてエンドユーザーの皆様に向けて、丸上がどのような価値を提供し、どのような姿勢で取り組んでいるのかを、これからも丁寧に発信していきたいと思います。何よりも皆様に信頼される企業を目指し、日々精進してまいります。