東京織物卸商業組合で作成している着物ポスターの新バージョンが完成しました!継続して続けてきましたので、最近お客様からご評価いただき、店頭でご活用いただくケースが増えております。必要なお客様は是非弊社担当営業にご連絡ください。丸上のロビーにも貼っております。

ポスター絵画「ピアノ」について

グランドピアノが四曲屏風の大半を占めるという大胆な構図である。あでやかな振袖姿の現代女性が、旋律を奏でる様子を描いている。モデルとなった女性は、作者の妻、都由子である。ピアノは現在、京都芸術センターとして使われている明倫小学校にあったもので、チェコ製のアント・ペトロフである。

さらに譜面に目をやると、その正確な描写からシューマンの「小さいロマンス」と「トロイメライ」であることがわかる。黒光りするピアノの形状にはアルーデコの幾何学的造形を見ることができ、令嬢の髪型、悠然の模様などにもモダニズムの影響が顕著である。 1926年制作 京都市美術館蔵

中村 大三郎

1898-1947(明治31−昭和22)

京都市生まれ。京都市美術工芸学校から同絵画専門学校に進み、在学中の1918(大正7)年《懺悔》で第12回文展に初入選する。卒業後同校研究科に進み、1921年(大正10)年修了。

この前後第2回帝展《静夜聞香》、第4回帝展《灯籠のおとど》で特選、塩田平八郎、堂本印象とともに京都画壇の若手三羽鳥と賞された。1926(大正15)年《ピアノ》により、近代初期風俗から現代風俗の取材に転じ、清新で香り高い美人像を次々と発表していった。

晩年は《三井寺》など謡曲に画題を求め、静雅な画境を確立する。1924(大正13)年京都市美術工芸学校教諭、翌年同絵画専門学校助教授、1936(昭和11)年同教授。1928(昭和3)年以来帝展、新文展審査員をたびたび務め、1933(昭和8)年画塾を創立した。