僕の着物は正絹がほとんどですので、自宅で洗濯はできません。そのように話すと、「やっぱりメンテナンスが大変なんですね。」と言われますが、そんなことありません。

着物の構造をご覧いただくとわかりますが、肌と触れ合うのは襦袢だけで、着物と肌はほとんど身体と接触しません。だから襦袢だけ定期的に洗えばいいのです。

男性の初心者の方は安価ということもあって半襦袢がオススメです。僕は東レのシルックの襦袢を着ることが多いです。シルックだと、ネットに入れて洗濯機で洗うことができます。また、着物ハンガーを使って干せば、ノーアイロンで使えます。

男性のスーツを頻繁に洗わないように、襦袢を活用して汚れることを防げば、ワンシーズンに一度程度丸洗いすることで、着物は清潔に保てます。そして、数年に一度洗い張りをして仕立てかえると新品のように戻ります。

最後にメンテナンスコストを下げる着物と羽織の選び方のコツを紹介します。着物はどうしても衿や袖が肌についてしまうことがありますので、羽織より汚れやすいです。だから僕は例外もありますが、着物は濃い色、羽織は淡い色を選ぶようにしています。

着物は日本人の知恵がつまっているので、メンテナンスは想像より大変ではないのです。ただ、汗をかく夏はやっぱり麻の着物など、自宅で洗濯できるものをオススメします。

最近は都城の東郷織物の襦袢がすごくいいと聞いたので、今度作ろうと思ってます。