オリジナルの木製マグネットを作成しました。丸上でお馴染みの「丸に布」の意匠を彫り込んだもので、木の質感がとても良い雰囲気を出してくれています。

実はこの「丸に布」、丸上が創業する前から一世紀以上も使われているものです。明治四十年に京都で創業した名門問屋「ワタイク」から、丸上の創業者である上達次郎が独立する際、「暖簾分け」の証としてこの屋号の印を受け継ぎました。

本家や他の暖簾分けのお店が歴史の幕を閉じた今、この屋号の印を掲げて商売を続けているのは、唯一、丸上だけとなりました。出来上がったマグネットをじっくり眺めていると、激動の時代を生き抜いた先人たちの、商売への情熱と覚悟が伝わってくるような気がします。

これは単なる意匠ではなく、先代たちが長い時間をかけて紡いできた信用と歴史そのものだと感じました。時代は絶えず変化していきますが、根底にある「誠実な商い」という精神は、この屋号の印を通じて僕たちの中に脈々と息づいています。

この歴史の重みを心地よいプレッシャーとして受け止め、これからも日々の仕事を一つひとつ丁寧に見つめ直していきたいです。そして、社員たちと一緒にこの大切な暖簾を、次なる時代へと繋いでいきたいと思いました。