丸上からほど近い場所にある綿商会館の解体工事が始まったようです。

詳しい経緯まではまだ把握していませんが、見慣れていた建物が工事に入っている様子を見ると、少し寂しい気持ちになります。

綿商会館といえば、全国の産地の展示会が開催されたり、東京キモノショーのメイン会場の一つとして使われたりと、和装業界に関わる人にとってはとてもなじみのある場所でした。

丸上からも近く、展示会やイベントの際には何度も足を運びました。特別に意識していたわけではなくても、そこにあることが当たり前だった建物がなくなっていくというのは、街の記憶が一つ消えていくような感覚があります。

時代が変われば、建物も街の姿も変わっていきます。ただ、場所がなくなることで、その場所が果たしてきた役割まで一緒に消えてしまってよいのかというと、そこは僕たちがしっかり考えていかなければならないところだと思います。

展示会を開く場所、産地と小売店が出会う場所、業界の人が自然に集まる場所。そうした機能は、和装業界にとって今も必要です。むしろ、リアルに人が集まる意味が改めて問われている今だからこそ、問屋街の役割をもう一度見直す必要があるのかもしれません。

丸上もこれから本館の建替えを控えています。自分たちの会社のことだけを考えるのではなく、日本橋の問屋街全体がこれからどうあるべきか。その中で丸上がどのような役割を果たせるのか。綿商会館の解体を見ながら、そんなことを考えました。