銀座もとじの創業者である泉二弘明さんが書かれた『約束』を読みました。
この本は泉二さんの自伝で、どのようなきっかけで銀座に呉服店を構え、そこからお店を発展させてこられたのかが、とても読みやすく書かれています。
同じ着物業界に身を置く者として、非常に学びの多い一冊でした。
読んでいて強く感じたのは、時代が進めば「それは当たり前だよね」と思われるようなことでも、最初に気づき、情熱を持って実行し続けることがどれほど大切かということです。
今では自然に受け入れられていることでも、その当時の業界の中では新しい挑戦だったことがたくさんあります。それを信念を持って続けてこられたからこそ、銀座もとじというお店が多くのお客様に支持される存在になったのだと思います。
特に印象に残ったのは、終章に書かれていた「販売」に大切なものについての言葉です。
一に熱意、二に誠実、三に素直。
言葉にすると、とてもシンプルです。当たり前のことのようにも聞こえます。しかし、商いの現場で常にこの姿勢を実行し続けることは、決して簡単なことではありません。
熱意を持って商品を伝えること。
誠実にお客様と向き合うこと。
そして素直に学び、変化し続けること。
これは小売店だけでなく、問屋である丸上にとっても大切な姿勢です。商品を仕入れ、お客様に提案し、業界の中で役割を果たしていくうえで、あらためて自分たちの仕事の原点を考えさせられました。
着物業界の方にはもちろんですが、どのような仕事をされているビジネスパーソンにとっても、多くの気づきがある一冊だと思います。
業界の先輩がどのような想いで商いに向き合い、道を切り開いてこられたのか。その姿勢から学びながら、丸上もこれからの時代に必要とされる問屋であり続けられるよう、努力していきたいと思います。

