梅雨の季節となりました。僕の通勤路にも色とりどりの紫陽花が咲き誇り、雨の日の憂鬱を和らげてくれます。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
さて、6月初旬に開催した「水無月合同祭」では、予想を超える多くのお客様にご来場いただき、心より御礼申し上げます。また、ウライ様、和光様、置賜産地の皆様をはじめ、各メーカーの皆様、設営・運送・食事手配などに携わってくださった全ての方々に、改めて感謝申し上げます。振り返ってみると、本当に多くの方の支えがあってこそ成り立った展示会だったと、改めて実感しています。
今回、特に感じたのが「敵対関係ではなく、協力関係が重要である」ということです。和装業界は今後、従事者数が確実に減っていきます。しかしその一方で、着物ファンの広がりやインバウンド需要の高まりといった、前向きな動きも出てきています。工夫次第では市場を広げていくことは、まだまだ可能です。市場拡大を実現するためには、新しい発想を柔軟に取り入れること、役割分担を明確にして効率よく動くこと、そして無理や無駄を省くことが求められます。そしてなにより大切なのは、誰かが得をして誰かが損をするという旧来の構造ではなく、業界全体がエンドユーザーのために力を合わせる“協力集団”になっていくことです。
僕自身、今年で業界に入って20年が経ちました。もともと和装の道に進むつもりはありませんでしたが、日本人の美意識や職人の技に触れ、心を打たれて、縁あってこの道を選びました。一方で、古い商慣行や情報発信の弱さ、IT化の遅れに課題を感じ、DXやWebマーケティング、若手の採用育成などにも力を入れてきました。少しずつですが、本来の問屋機能をしっかり果たしながら、新しい価値をお客様に提供できる企業に進化してきたと感じています。
そして僕は今年で50歳を迎えます。残念ながら元気で働ける時間には限りがあります。この年になると自分のことよりも、次の世代が夢や希望を持って働ける業界をつくることこそが、僕の使命だと考えるようになりました。丸上が培ってきた知見や経験は、今後惜しみなく共有してまいりますので、ご興味があることがございましたら、遠慮なくご相談ください。僕たち問屋の使命は、常にお客様のお役に立てる行動をすることです。活動を通じてお役様に喜んでいただけることができたら、最高の幸せです。よろしくお願いいたします。
上達 功
丸上通信 定期購読登録フォーム
上記よりご登録いただいたアドレスに、毎月メールにて「丸上通信PDF版」をお届けします。お客様はもちろん、産地の方、同業者の方など、どなたさまも登録可能ですので、是非ご登録ください。