いつもありがとうございます。日本橋丸上3代目上達功です。11月に入り、日が沈むのが早くなり、朝晩の冷え込みも日に日に増して、冬の足音が近づいてきました。そんななか、経営者向けセミナーの一環として、日本酒の酒蔵、草津で最も評価の高い旅館、若手社員を積極的に採用している造園業、そして補聴器の専門店の4社を訪問しました。和装業界にいる僕にとって、異業種の企業を訪れることは新鮮であり、多くの気づきを得る貴重な機会でした。和装業界は長い歴史を持つがゆえに、業界の外部との関わりが少なく、どうしても閉鎖的な傾向がありますが、今回の訪問で「他業界から学ぶこと」の重要性を再確認しました。

 まず、日本酒の酒蔵では、社長が東京農業大学出身であることから、感覚に頼らずデータに基づいたものづくりが行われていました。製造の各工程で科学的なアプローチを取り入れる姿勢は、品質を安定させるための工夫として非常に参考になりました。僕たちの和装業界でも、経験や勘だけに頼らず、データを活用して改善を図ることが今後の課題と感じました。

 次に、草津一の旅館では「おもてなし」の精神が随所に見られ、スタッフ一人ひとりが自らの役割を理解し、お客様に最高の体験を提供していました。和装業界でもお客様との接点は大切であり、心からのサービスが信頼関係を築くという点では共通しています。訪問を通して、自社でもより良い顧客対応を目指そうという意識が高まりました。

 続いて、若手社員を積極的に採用している造園業の会社では、新しい世代のエネルギーとアイデアを取り入れながら、業界に新しい風を吹き込む努力が行われていました。若い力が現場を支え、職場全体の活気を引き出している様子は印象的で、和装業界でも若手を育てながら活力ある職場づくりが大切だと感じました。

 最後に訪問した補聴器の専門店では、他の先進国と異なり日本では補聴器販売の法整備がしっかりされていないことを初めて知りました。そんななか、専門店ならではの知識と経験に基づいた提案力が大きな差異性になっていることを強く感じました。

 異業種の企業から学んだ経験を今後の業務に活かし、伝統を大切にしつつも新しい視点を取り入れていきたいと思います。和装業界が次世代にも続いていくよう、革新と柔軟性を持って成長を目指していきます。

 そして来月は、丸上の名物「決算市」を開催いたします!1年の締めくくりとして、お得な商品を多数用意し、皆様のご来店を心よりお待ちしております。

上達 功


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