東京の週末は外出自粛もあり、しっかり読書しました。今日ご紹介する本はスカンジナビア航空のSASグループ最高経営責任者のヤン・カールソンが書いた「真実の瞬間」です。もう30年前に書かれた本ですが、とても学ぶべきところが多い名著です。

「真実の瞬間」とはお客様に対する従業員の応接時間のことです。当時スカンジナビア航空には年間1000万人の旅客があり、その一人平均5回従業員と接して、平均時間は15秒だったそうです。つまり年間5000万回のタッチポイントで顧客の脳裏にスカンジナビア航空の印象が刻みつけられたことになりますが、その品質を顧客中心でどう作りあげていくことがいかに大切かについて書かれています。

そしてそれを実現するためには、自社の従事している事業を顧客優先にして定義することが必要です。また、顧客のニーズを熟知している現場従業員が自発的に改善に取り組むシステムが必須で、このためにはビジネスリーダーは権限を提供して、意思の疎通をいかに取るかがポイントとなります。

前職の入社時研修でも「真実の瞬間」を紹介されましたが、その時は「第一印象が大事だよ」という教えでしたが、本を読んでみて全然違う内容だと気づきました。企業として成長するためには確固とした経営方針が大事で、それに基づいた組織構築と教育をしていけば全てのタッチポイントが整っていくということです。大変勉強になる一冊でした。