昨日まで東京でカジュアルキモノ展が開催されていて、僕も見学にいきました。感じたことはカジュアルによるすそ野の広がりは大切だという事と、これに対してフォーマル着物は今のままでいいのかという疑問でした。

ファッションの世界だと2割の「能動的な消費者」と8割の「受動的な消費者」に分けられるそうです。「能動的な消費者」は簡単にいうとファッションに関心が高い消費者です。

カジュアルキモノに関しては「能動的な消費者」に対する提案になると思います。一方で8割をしめる「受動的な消費者」に対して呉服業界は今何ができているでしょうか?

昔は日本人の通過儀礼では、着物を着る事が当たり前でした。今の時代を昔に戻すことはできないですが、人生の節目の機会でちゃんとした着物を着るとすごくいい気分になれますよという情報発信を業界としてもう少しやった方がいいと思いました。

業界の中では、そんなことは消費者はすでに知っているはずだと思っている方もいるかもしれませんが、異業種から来た僕からするとほとんどの人がこの事を知らなくなっているのではないでしょうか?少なくとも通過儀礼の時に、着物の事を思い出してもらう環境を作らなければ、絶対に着ていただくことはできないのです。

どのような規模や方法で展開するかは別として、もう一度フォーマル着物の情報発信について考えてみたいと思いました。