今年に入ってから、和装業界の厳しい状況をいろいろ聞いています。業界にはまだまだ改善点がありますが、今日の問題提起は”短絡的に結果を求め過ぎていないか?”です。業界向けの少し真面目な内容です。是非ご覧ください。

現代において、経営には正解がなくなりました。それは時代の変化のスピードが格段に早くなったのと、情報量が爆発的に増えて消費者の価値観の多様化が進んでいる大きなパラダイムシフトの中にあるからだと思います。そんななかで呉服業界を見渡すと、すぐに結果が出ることだけをやる風潮があると思います。

例えばこんなことありませんか?

・新規顧客獲得が難しいので、既存のお客様だけで売上を作る。

・すぐに売れる企画を求める。

・新入社員を採用しても、すぐには売上に繋がらないので採用をやめる。

・社員教育も即効性がないのでやらない。

・商品を仕入れて在庫しても、いつ売れるかわからないので委託に頼る。

・情報発信をしても、すぐには効果が出ないのでやらない。

経営が厳しいから直近の売上を求めざるを得ないのか、直近の売上を求め過ぎているので経営が厳しいのか?なんとも悩ましい問題です。

例えば3年前に仕入れた在庫のおかげで、新規のお客様と繋がれることもあるかもしれません。僕の経験ですと、情報発信や人材の採用・育成は3年後くらいから効いてきます。始めはなんのプラスもありませんが、それを信じて取り組めるかが数年後の大きな差になってくると思います。これからの時代は短絡的に正解・不正解を結びつけてしまう癖を直していかなければなりません。

僕は経営は短距離走ではなく、マラソンだと思っています。マラソンでゴールするためには、短期の結果ももちろん大切ですが、長期的視点が必要です。困難な時代だからこそ、どれだけ未来に投資できているかを確認して前に進むべきだと思います。