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No.72 年の瀬や年始の御挨拶にふさわしい落ち着きのある色合いの付下げには、熟練した職人の手により金加工が施されております。 押し寄せては繰り返し、永遠に続く幸せのモチーフでもある波。 種類を変えて何通りもの波の意匠を象った縁起の良い着物に合わせた帯は、令和の御代を祝うデザインの袋帯です。 天皇陛下の梓・皇后陛下のはまなす・内親王殿下愛子様の五葉躑躅をモチーフに、唐織の手法で佐賀…
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今回は、今では珍しくなった手の込んだ作りの小紋をご紹介させていただきます。 単色では出ない深い色の重なりがとても魅力的なのですが、正絹の普段着を着ることが少なくなった最近では手を掛けた小紋は残念ながら少なくなってしまいました。 色とりどりの小花を亀甲取りに散りばめた華やかな小紋ですが、今風に感じるのはグレーなど少し落ち着いた色も取り入れているからでしょうか。 細やかな柄は大人でももちろん…
秋から冬へ、季節が変わり始めました。クリスマスやお正月に向けてのお出かけに、人々の心が浮き立つ〈上質な普段着〉のご紹介をさせて戴こうと思います。 クリスマスのパーティーや初詣も気のおけないお友達同士なら、訪問着や付下げより洋服でいうところの「綺麗めカジュアル」がおすすめです。 普段着ながら丁寧に作り込まれた小紋や紬・お召しなどは、最近なかなか目にする事も少なくなって来ました。 店頭で目立…
今回のテーマは、付下げのカジュアル・ダウン。 準礼装である付下げを、洒落袋帯などでお食事会や観劇などの〈お出かけの街着〉ぐらいの気軽に着れる様にしてみよう、というイメージです。 付下げの柄も格が高い古典文様よりは、モダンな雰囲気のものや季節のモチーフの物を選んだ戴いた方がテーマに合わせやすいかと思います。 帯も、金糸銀糸はひかえめに。 洋服でいうと、ツイード・ジャケットのスーツやシルクのワ…
6月のテーマは〈青〉。 そのなかでも海外からジャパンブルーとも呼ばれる藍。 世界最古の染料とも言われて、日本独特の美しさを感じる色でもあります。藍で染めた色も、瓶覗(かめのぞき)、浅葱(あさぎ)、縹(はなだ)、納戸(なんど)、紺(こん)など、染めの回数・濃淡により多くの名前が付けられております。 着物では一年中愛されている藍色ですが、夏の生地に染まるとより一層その清涼感が際立ちます。 …
いまの感覚で着物をコーディネートする時に、多くの方が重要視するのが〈色〉だと思います。 暖かくなり始めた今月は、春を感じる色〈黄色〉をテーマにコーディネートしてみました。 有彩色の中でも、一番明るい色の 〈黄色〉。 菜の花、金糸雀、梔子、蒲公英、檸檬、刈安、鬱金。 和の色でも、ひときわ美しい文字に心ときめきます。 個人的なイメージでは、ウキウキと楽しく可愛らしくのんびりと長閑。 幸福…
「着物一枚に、帯三本」という言葉を聞かれた事も多いと思います。 一枚の着物を帯を変えて着こなす、その時に大事なのは〈着物の上品さでは無いか?〉と考えます。 淡いグレーの付下げの紋様は菱松葉。格調高い模様ながら抽象化してあるので、どの様な帯にも合わせやすいと思います。 今回は優しい色味の唐織の帯と合わせましたが、黒の分量の多い帯なら都会時なシャープさを。 先週の様な白と金の優美な模様の帯…
冬の夜空やオーロラ、流れる雲や風を想像させる様な濃紺の付下げ。 絞りの伝統的な手法を型染めの技法で表した摺り匹田の着物は、可愛くなり過ぎずどの年代にもお使いいただけます。 合わせる袋帯は、鏡紋の(手織り)袋帯。開運や子孫繁栄もあらわす神秘的な鳳凰柄も相まって、格調高さを感じさせます。 着物スタイリング/吉澤暁子 着物/京友禅 帯/織匠神宮寺 帯締め/和小物さくら 三段鎧ぼかし …
格調高い菊菱の文様は、甘くなり過ぎず凛とした印象。また爽やかな水色は、どの年代の方にも使っていただきやすい万能色。文様の上に施した(胡粉の)暈しが、その凛とした雰囲気に優しさを加えております。合わせる帯は、繊細な刺繍をたっぷりと施した袋帯。透け感のある蘇州刺繍や相良縫で立体感を出した、これも年齢を選ばないまたスッキリとした魅力的な帯。 格の高い唐組の帯締めと、着物や帯とリンクした紺色を一筋配色し…
冬に向かうこのシーズンだからこそ、魅力的に見える雪の結晶模様の友禅付け下げ。 着物姿でクリスマスパーティーにお出かけいただく際にも、きっと注目の的間違いなしです。 冬の空を思わせる澄んだアイスブルーと、教会の天井画を思わせるアカンサス文様の袋帯。 どちらも洋風のテイストが感じられるので、普段着物を着慣れない方にも楽しんでもらえるコーディネートになったと思います。 着物スタイリング/吉澤…
赤みのあるベージュの地色に道長取りの金彩加工を施した付け下げは、品の良さと共にほんのりした大人の可愛らしさも感じられます。 能装束から柄を写した金彩引箔の本袋帯と合わせて、関西好みのはんなりしたコーディネートに。 帯締めも定番の白系だとぼやけた印象になりがちなので、ほんの少しキリッと濃い色を効かせて引き締める事で。 上品ながらメリハリがきいた都会的な着こなしになります。 着物スタイリ…
嫁入りや雛道具の一つでもある貝桶文様は、縁起の良い吉祥柄になります。 暈し染の雲取柄がふんわりと優しい付け下げは、控えた色味ながら動きがあり仕立てると品の良い華やかさも感じられます。 能の装束を写した吹き寄せ柄を、シックな色で表現した唐織の袋帯と合わせて格調高く。 帯揚げや帯締めも、唐組や刷毛暈し金彩などの格の高いものを選んで戴くと、慶事はもちろん初釜やお稽古事の新年のご挨拶会などにもふさ…