No.57
今回のテーマは、付下げのカジュアル・ダウン。
準礼装である付下げを、洒落袋帯などでお食事会や観劇などの〈お出かけの街着〉ぐらいの気軽に着れる様にしてみよう、というイメージです。
付下げの柄も格が高い古典文様よりは、モダンな雰囲気のものや季節のモチーフの物を選んだ戴いた方がテーマに合わせやすいかと思います。
帯も、金糸銀糸はひかえめに。
洋服でいうと、ツイード・ジャケットのスーツやシルクのワンピースぐらいの感覚で着こなせる感覚のスタイリングです。
落ち着いたベージュの地色に、唐花と七宝模様。準礼装の着物には珍しく、とてもカラフルで楽しげな色合いの付下げです。
今回は付下げの若々しい可愛らしさを抑えて、年齢に合わせて長く着ていただけるコーディネートのご提案を致しました。
若い方には、若草色や藤色などの華やかな色の帯でも素敵だと思いますが、今回合わせたのはどっしりとした深い色合いの唐織袋帯。
唐織の帯は、角も高く金銀糸も入っていないので茶道を嗜む方にもおすすめです。
帯が重めの色合いなので、帯締めも帯揚げも色に深みがあり立体感がある物を合わせるとコーディネートがしっくりと纏まります。
きものスタイリング/吉澤暁子
きもの/付下げ 桐壺
帯/袋帯 鈴木
帯締め/和小物さくら 二枚高麗浮き木の葉
帯揚げ/和小物さくら プラチナ箔入縫取唐草ぼかし
バッグ/和小物さくら クラッチバッグ