No.37
桃色、桜色、薔薇色、撫子色、苺色、乙女色、灰桜色、躑躅色。
ふんわり暖かく柔らかく優しい、そんな穏やかな少女の様なイメージのある淡いピンク色。
シャープな強いピンクはモダンで冒険心にあふれた知的な大人の女性のイメージもありますでしょうか?
〈女らしさ〉の代名詞的に使われて来た事もあり着用するには好き嫌いのある方もいらっしゃるかもしれませんが、今回ご覧戴きたいのは一言では言い表せない程ピンクにも色々な色があるという事。
口紅やほお紅でも使われるほど、私達の身体には馴染み深い色だと思います。
華やかにも、優しくも、格好良くも。
どうか皆さんのお好みのピンク色が見つかり、着物の装いに取り入れて下さいます様に。
サラリとした織の米沢紬は、暖かさを感じ始めたこの季節にぴったりの素材。インドネシアのろうけつ染〈バティック〉の洒落袋帯とのコーディネートは、気の置けないお友達とのお出かけにもお薦めです。今の時期なら、お花見にもぴったり。
「花の盛りに花柄を着ていくのは野暮。」とは着物をお好きな方に教えられた言葉です。
桜の花の様な淡いピンクや次の時期に控える藤の花のような薄藤色は、身に纏うと逆に花の美しさを讃えるよう。
余談ですが個人的には桜柄でも桜色でも気後れせず、どんどんお花見に着物で行って欲しいと思います。
楽しく素敵な着物姿に文句つけるほど、花は野暮じゃなく優しいと思います。
着物スタイリング/吉澤暁子
着物/よねざわこまち
帯/貴久樹 バティック袋帯
帯締め/和小物さくら 大和組み暈し
帯揚げ/和小物さくら 友禅 隠れ小花柄