No.35
いまの感覚で着物をコーディネートする時に、多くの方が重要視するのが〈色〉だと思います。
暖かくなり始めた今月は、春を感じる色〈黄色〉をテーマにコーディネートしてみました。
有彩色の中でも、一番明るい色の 〈黄色〉。
菜の花、金糸雀、梔子、蒲公英、檸檬、刈安、鬱金。
和の色でも、ひときわ美しい文字に心ときめきます。
個人的なイメージでは、ウキウキと楽しく可愛らしくのんびりと長閑。
幸福や未来への希望を感じる色でもあると思います。
顔色を明るく見せたり元気があるイメージもあり、華やかな装いにはお薦めの色です。
今回のコーディネートでは、薄灰色に黄色と青がアクセントになった小紋を主役に、2週にわたって〈染め〉と〈織り〉の帯を二種類で着こなしを楽しんでみました。
〈織り〉の帯は、西村織物の博多織の名古屋帯を。 大胆な幾何学模様と寒色系のクールな色合い。
染め帯との違いをハッキリと感じられるコーディネートになりました。
小物類も同じく寒色系でまとめて、都会的なモダンさを表現。 一枚の着物に全く違うニュアンスを持つ帯を合わせることで、着物の多様性と『着まわす楽しさ』を感じることの出来るコーディネートになったかと思います。
着物スタイリング/吉澤暁子
博多帯/にしむら マラケシュトリアングル
帯締め/和小物さくら 笹波組配色
帯揚げ/和小物さくら 縮緬引き染め無地