No.31
いまの感覚で着物をコーディネートする時に、多くの方が重要視するのが〈色〉だと思います。
暖かくなり始めた今月は、春を感じる色〈黄色〉をテーマにコーディネートしてみました。
有彩色の中でも、一番明るい色の〈黄色〉。
菜の花、金糸雀、梔子、蒲公英、檸檬、刈安、鬱金。
和の色でも、ひときわ美しい文字に心ときめきます。
個人的なイメージでは、ウキウキと楽しく可愛らしくのんびりと長閑。幸福や未来への希望を感じる色でもあると思います。
顔色を明るく見せたり元気があるイメージもあり、華やかな装いにはお薦めの色です。
今回のコーディネートは、付下げに〈黄色い袋帯〉。
濃い紫地に孔雀の羽の模様が繊細に描かれた付下げに、明るい色調の袋帯を合わせました。
着物を着始めた時に「やっぱり紫には黄色が合うよね。」と言われて、着物初心者のわたしはその色彩感覚にギョッとしたのですが、いま自分のコーディネートでも〈反対色をあわせる事で引き締める〉というテクニックを使いはじめてやっと「なるほど!」と思います。
洋服の感覚だけではわからない、着物ならではの装いになったかと思います。
パーティーなどの楽しいお席で、華やながら年齢を問わずに着こなして戴きたいコーディネートです。
着物スタイリング/吉澤暁子
着物/京友禅 付下げ
帯/となみ 白寿
帯締め/和小物さくら 畝打亀甲銀糸入り
帯揚げ/和小物さくら ペルシャ更紗縫取り